まこちゃんのシネマ道場

映画大好き!横浜地区労の宝川議長の映画コーナーです(^O^)

いろんな映画を紹介します!

過去・現在・未来をえがいた一大叙情詩

中国映画「山河ノスタルジア」 

本作は、90年代後半から始まり、初めて未来まで未来までえがいた大作です。ジャ・ジャンク―監督の実体験が基になっています。

 1999年中国の山西省汾陽(フェンヤン)小学校教師のタオ(チャオ・タオ)は炭鉱夫のリャンズー(リャン・ジンドン)、実業家のジンシェン(チャンイー)、二人の幼馴染から想いを寄せられていました。タオは三人の友情を大事にしていました。しかし、タオはジンシェンと結婚し、息子ダオラーが生まれました。

 2014年、タオはジンジェンと離婚し汾陽で一人で暮らしていました。タオは父親の死をきっかけにタオラーと再会します。そこで、息子のタオラーはジンジェンとオーストラリアに移住することを知りました。

 タオは、ダオラーを見送る日、鈍行列車に乗ります。「特急に乗ればいいのに」とダオラーは不思議に思います。タオは「この方が少しでも長くいられる」と言います。

 2025年オールとラリアにいる19歳のダオラーは長い海外生活で中国語を話せなくなっていました。父親のジンジェンとの会話もうまくいきませんでした。中国語教師のミアと出会い、かすかに覚えている母親の面影を探し始めました。

 急速に経済発展する1999年の中国。

 2014年は経済成長を続けるが、格差がどんどん広がり、家庭はバラバラになっていきます。

 豊かになっていくが、その代わりに失っていくものが多くあります。

 若葉町のジャック&ベティ―で6月3日まで上映してます。

韓国映画「明日へ」~女性のパワーを見せつけます~

この映画は、2007年に実際に起きた韓国の大手スーパーの非正規労働者を大量解雇した争議を元にしています。韓国では雇用が不安定で勤続期間も短く、「非正規大国」とも呼ばれています。

 入社5年目にして勤務評価も高く、ようやく正社員に決まったレジ係のソニ(ヨム・ジョンア)は夫は出稼ぎに行ったっきり戻らず家計は苦しくなるばかり。高校生の長男と幼い長女を抱えて子育てと家事をこなしています。会社は「すべての業務は外部に委託する」と決めてしまいます。「契約期間はまだ残っている!」と会社に言っても聞きいれられません。このままでは一ヶ月後には失業者になってしまいます。

 彼女たちは、一人一人の力は弱いが団結してまとまろうと20代~60代までの女性だけの労働組合をつくりました。会社と交渉しても誠意が見られず、一週間後の夕方四時に業務をやめてストライキに突入しました。これにあわてた会社は、アルバイトを集めてレジをやらせました。

「ストライキ中の雇用は違法だ!」と叫び、アルバイトを追い返し、その夜は、レジの横に段ボールを敷き眠りました。

勤続20年のベテラン清掃員のスルレ(キム・ヨンエ)は「温かいベッドで寝ているものには冷たい床の寒さはわからないのさ」と言います。

「契約社員は派遣に、正社員は契約社員にして売却する」ことが会社の目的でした。座り込みのテントに警察の介入もあり放水車で攻撃されます。しかし、女性たちはスーパーのカートを使って放水車に向かっていきます。

「一歩踏み出せは、明日はきっと違う未来が見えてくる」

「旅立ちの島唄~十五の春~」 

沖縄本島から東へ360km。南大東島には高校がありません。子どもたちは15歳になると島から旅立っていきます。実話をもとにした感動作です。 南大東島は「絶好の孤島」と呼ばれている島です。那覇から船で13時間もかかります。面積は30.74km2。人口は約1,300人。年平均気温は22.9%。島の60%がサトウキビ畑です。さとうきび以外の産業はありません。島の周りは、浅瀬になっているので船は接岸できません。荷物も人もクレーンでつり上げられます。 実在する少女民謡グループ「ボロゾノ娘」は、毎年15歳の節目ごとにメンバーが入れ替わります。中学卒業の春、ボロゾノ娘たちは南大東島の島唄「アバヨーイ(さようなら)」を多くの人たちの前で、家族への想いをこめて歌います。 南大東島に住む仲里優奈(三吉彩花)は、14歳の中学2年生です。父親(小林薫)は、さとうきび農家をやり、母親(大竹しのぶ)は、兄や姉が進学するときに那覇に行ったきり島には戻ってきていません。優奈が「ボリジリ娘」の新しいリーダーになり、1年後には高校進学のために島を出なくてはなりません。島で暮らせるのもあと1年です。父親を一人残して島を出る罪悪感や那覇で暮らすことに不安やあこがれもあります。 主演の三吉彩花は、実際に15歳で撮影に臨み、三線や民謡にも挑戦し美しい歌声を聞かせます。さとうきび農家が集まり、国のTPPへの参加に反対するシーンも出てきます。関税の自由化によって、農産物が安く入ってくることに不安が募ります。「キトキト」で監督デビューした吉田康弘監督の作品です。