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ストを構えて「一時金の満額回答を引き出す!」

≪レポート≫ ストを構えて「一時金の満額回答を引き出す!」

港湾労働組合・互興運輸分会はユニオンショップ(職員は全員組合員)です。年末一時金闘争でストライキを背景に闘い、基本給1.0ヶ月だった回答を2.03ヶ月に引き上げて妥結しました。

今年はコロナ禍の影響で売上、利益ともに悪く、組合員も昨年の2.00ヶ月を下回ることは覚悟していました。しかし、会社の回答は予想を遥かに下回る1.00ヶ月でした。

回答を受けて組合は職場ごとに昼休み集会を開きました。まず過去15年間の妥結金額を検証すると、一度も2.00ヶ月を下回ったことが無いことが分かりました。さらにリーマンショックの時も「(2.03ヶ月+諸手当)×0.9」という妥結だったことから、その満額は出せなくても2.03ヶ月が「生活給」であることを労使で確認していた事が分かりました。そして、経営側がそのことを忘れていることに危機感を強くしました。そして、会社の回答を何もせずに受け入れたら、2ヶ月を上回る一時金は二度と貰えないと、ストライキを背景に改めて2.03ヶ月を要求することが決まりました。

団体交渉には組合員40名のうち、30名程が出席しました。冒頭で組合はストライキ通告を出し、妥結しなければストライキに入る旨を伝えました。社長はコロナ禍による貨物減、倉庫の値上がり、荷主の撤退などを背景に業績悪化を訴えました。しかし、その全てが現場で働く労働者に責任はなく、経営戦略が甘いがゆえのものでした。また会社が潰れるような必死さが感じられず、単に業績悪化の責任を労働者に負担させようとしていることに、組合員の不満は増すばかりでした。その後、二回の団体交渉がありましたが、ストライキ直前の団体交渉で組合から「社長の説明に納得いかない。このままではストライキはやむを得ない。」と伝えて2.03ヶ月の再検討を強く求めました。翌日午前中、会社から分会長へ「満額回答するからストライキを回避してほしい」と電話があり、年末一時金闘争は妥結しました。結果は回避となりましたが、分会長をはじめ全員が初めての「ストライキ経験」でした。会社に労働者の思いが通じ、回答を引き上げたことは組合員にとって大きな成果となりました。 

(三宅洋 港湾労働組合執行委員長代理・横浜地区労副議長) 

 

⇩写真は、港湾労働組合の別分会のストライキの様子です☆彡