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善仁会争議の経過報告(2023年11月)

善仁会に対する裁判に至るまでの経過と2023年11月9日の裁判(期日)の様子

 

 私達は善仁会の鶴ヶ峰クリニックで、看護事務として働いていました。

 2021年7月末で、同じ職種の看護事務1名が退職する事が決まり、残る私達2名では1人が休む時は1人勤務になってしまい、2フロアを1人で勤務する事は過重労働であり、以前にもその体制で体調を崩した事もあった事から、上長に業務体制の改善・対応策をお願いしていました。

 しかし改善される事なく、それに加え7月30日のカンファレンスで、達成困難なノルマ(普段2~3名のベッド移動処理業務が、この時は看護事務が1人減る事が分かっていた上で、9名のベッド移動処理業務)を指示され、私達はまた体調を崩し、休職を余儀なくされました。

 2021年9月15日に横浜地域労働組合に加入し、2021年10月7日に、第1回団体交渉が行われ、最後の2022年7月7日までに5回の団体交渉を行いました。

私達は、2021年8月は欠勤届を提出し、2021年9月1日から休職届を提出したにも関わらず、2022年7月15日に「7月末日をもって休職期間満了」の通知書が送付されてきました。(就業規則では休職期間は1年となっています)

 組合からの要求書でも、就業規則の規定(休職の開始日)では「本人の休職の願い出を法人が認めた日」とあることから、「なぜ8月1日が休職期間の開始日になっているのか根拠の説明」を求めました。また、私達は「復職可能の診断書」を提出し、復職に向けて法人の指定する産業医面談の予定まで話が進んでいたのですが、法人は突如態度を豹変させ、「7月末日で休職期間満了の為、退職となります」と一方的な退職手続きを強行してきました。

 復職を希望していた私たちは到底納得できず、2022年10月21日付で「地位確認とパワハラに対する損害賠償を求める」訴訟を起こし、2022年11月9日に神奈川県庁にて記者会見も行いました。

 

 2022年12月8日、第一回期日の裁判が行われ、今に至っております。

同年12月8日、裁判所に初めて足を踏み入れましたが、何もかもが初めての経験で、中の様子も未知の世界でした。

 まず初めに、空港の様に所持品検査がある事にびっくりしました。

裁判所という所は普通に過ごしていたら無関係で敷居が高い場所でもあり、「裁判を傍聴する事も、まして原告として関わる事など、一生ないだろう」と思っていた場所で、また最初は少し緊張もしましたが、数を重ねるうちに、今は当たり前の様にスムーズに違和感なく裁判所に入廷しています。

 民事の期日の裁判は、最近はウェブで行われる事が多い事も知りました。しかし組合の方々や私たちの友人たちも多数傍聴に来ていただいていたので、実際には裁判は法廷で開き、期日の日は出廷しています。

 被告側は代理人のみで、団体交渉に出ていた善仁会の職員は来ていません。はじめの頃は代理人も2名でしたが、今では代理人1名です。

 法廷での期日の様子も初めての事ばかりで、専門用語もどういう事なのかわからない事が多く、最近では数ヶ月前より進行協議が始まり、これもまた初めて聞いた言葉でした。

 進行協議は、公開の裁判(期日)の直後に、別室で裁判官の方と原告の私達と代理人の田渕先生と、テーブルを囲んでお話をし、原告側・被告側は別々に呼ばれ、原告及び原告代理人と、被告代理人の双方の話を裁判官が聞き取りながら、和解などの話を進めていく協議でした。

 

先日、11月9日(木)の裁判の様子をお伝えします。

裁判が始まった時、善仁会(被告側)の代理人が、10月31日までに裁判所に提出するはずの準備書面を11月7日に送ってきた事に対し、裁判長から「まず、書面が遅れた理由をお聞かせ下さい」と、質問されていました。

団体交渉の時からなのですが、善仁会の代理人は回答の提出期限は守らない。遅れる旨の連絡もない。遅れた事に対して、謝罪の言葉もない。社会人としてあり得ない対応でした。

 

今回、裁判長に言われて、社会人として恥ずかしい事を少し感じたのかは分からないですが、裁判官の方々には、心証が悪いのは確かな事だと思います。

また「以後、お気をつけ下さい」とも言われていました。

 

法廷も、もう年を明けた来年しか空いてないので、裁判のなるべく早い進行を優先して「弁論準備」となり、期日の調整をしてくださいました。

 

そういう事で、12/25は公開の法廷ではなく非公開の弁論準備として、別室で行われる事になりました。

 

そして、これもまた団体交渉の時からなのですが、法人(善仁会)と代理人弁護士は、意思疎通がきちんと取れていない感じも見受けられます。

それは、都合の悪い事は、代理人に対して正直に話をしていない為ではないかと思っています。

 

1年近く続いている裁判ですが、今までの裁判でのこの様な経験は、なかなか普通では経験できない事なので、人生勉強だと思って臨んでいます。

また、横浜地域労組のホームページに、「善仁会・鶴ヶ峰クリニックでの交渉状況について」の記事が載っておりますので、合わせてご覧いただければ幸いです。

私達は、皆様にご協力・ご指導を頂きながら、これからも頑張っていきたいと思っておりますので、応援・傍聴のほど、よろしくお願い申し上げます。

次回からは、傍聴はしばらくない様で、待合室でのご報告となります。