· 

労働学校「格差・貧困の実態を知り打開の道を探る」

≪レポート≫

 第一回労働学校「格差・貧困を知り打開の方法を探る」の報告 

貧困・安保(日米安保条約)・憲法がつながっていることをつかむ総学習として取り組んでいる今期の労働学校。オンラインと実会場でそれぞれ十数名、合わせて30名ほどの方に受講していただきました。

髙井さんの講義「格差・貧困の実態を知り、打開の方法を探る」の大要。多くの人が考えている「貧困」とは絶対的貧困だが、現代の日本で考えなければならないのは相対的貧困(多くのばあい「格差」と考えられているもの)であるということをまず指摘。

その上で、日本の貧困対策が、例えば生活保護における自立助長(とにかく働けるように追い立てる等)など様々な問題点を抱えていること。保護費算出の仕方を見ても、かつては格差縮小方式を取っていたものが、80年代臨調行革の中で水準均衡方式に変えられ、現在の保護基準切り下げにもつながっていること。自治体の貧困対策を例に、子どもの貧困対策にまで自立助長といってよいような歪みが持ち込まれていることなどを批判的に解説。

そして髙井さんは階級的な自覚の必要性を強調。「労働者の共通の運命としての貧困」について労働者階級は自覚しなければならないこと。19世紀イギリスで活動したラウントリーは、貧困論の古典である『貧困の発見』の中で、多くの人々が人生において三度は「貧困線」を下回ること(幼少期、子育て期、老齢期)などを指摘したこと。貧困の問題を、労働者階級に共通する普遍的な課題としてとらえる(貧困は個人の怠惰ではないと理解すること)というラウントリーの考え方が元となって、イギリスなどでは中産階級を分厚くして福祉国家の建設をめざす政策がすすめられることになったことなどを話されました。 (寄稿:学習協会 丸山哲さん)

 

 

※次回は「日米安保条約とはなにか。日本社会との深い関係性を知る」 

詳しくは地区労HP 又は下記のチラシをご覧ください。